株式会社ヒトナス

2026/05/19 お役立ち

汚水枡の移動・交換工事|費用の目安と依頼時の注意点

「駐車場を広げたいのに、汚水枡の位置が邪魔」「外構リフォームで枡を動かしたい」——意外と多い相談です。でも汚水枡は、勝手に動かしていいものではありません。

移動・位置変更に必要な手続きと費用の目安を整理しました。

この記事では、汚水枡を移動・位置変更する際の手続き・工事の流れ・費用の目安・移動が難しいケースなどを詳しく解説します。

汚水枡とは

汚水枡の役割と設置場所

敷地内の汚水配管の途中に設けられた点検・清掃用のマスです。トイレ・キッチン・浴室などからの排水が通る汚水管の折れ曲がりや合流点に設置されており、詰まりや異常が起きたときにアクセスする口になります。

最終的には公共汚水桝(道路の下にある市区町村管理の枡)に接続され、下水道へ流れていきます。

汚水枡は敷地内に複数設置されていることが多く、配管の曲がりや合流のたびに設置されています。位置が分からない場合は、敷地内をよく観察するか、建築時の図面を確認すると把握できます。

汚水枡のメンテナンスの重要性

汚水枡は定期的なメンテナンスが必要な設備です。フタを開けて内部に油脂・固形物・根の侵入がないか確認し、必要に応じて清掃を行うことで、下水管の詰まりを予防することができます。

清掃の頻度は使用状況によって異なりますが、年に1回程度の点検が推奨されます。排水の流れが悪くなったり、異臭がしたりする場合は早めに専門業者に相談することをおすすめします。

古いコンクリート製の枡はひびが入りやすく、老朽化が進むと排水が地中に漏れ出すことがあります。建て替えやリフォームのタイミングで塩ビ製の枡に交換することが増えています。

移動・位置変更に申請が必要な理由

排水設備工事には届出が必要

汚水枡は「排水設備」の一部です。東京都内では、排水設備の新設・変更・撤去には「下水道排水設備工事責任技術者」が在籍する指定工事店による施工と、行政への届出が必要です。

自己判断で移動させた場合、下水道法に違反するリスクがあります。また、後から検査が通らず手直し工事が必要になったり、保険・保証の適用外になるケースもあります。

勝手に動かすと、下水道法違反になる可能性がある、検査が通らず後から手直しを求められる、保険や保証の対象外になる、といったリスクがあります。必ず指定工事店に依頼し、適切な手続きを経て施工を行うことが重要です。

指定工事店への依頼が必要な理由

排水設備工事を担当できる「下水道排水設備工事責任技術者」が在籍する指定工事店でないと、施工および届出が行えません。

指定を受けていない業者に依頼した場合、施工自体が無効になる可能性があります。工事後に行政の完了検査が必要であるため、指定外業者による施工は最終的に全て手直しになるリスクがあります。

依頼先が指定工事店かどうかは、東京都の担当窓口や市区町村のウェブサイトで確認できます。見積もりを依頼する前に必ず確認しておきましょう。

移動・位置変更の流れ

1. 現地調査・既存配管の確認

現在の汚水枡の位置・深さ・配管の状態を確認します。既存配管の勾配を維持できるかどうかが、移動可能な範囲を左右します。

排水管は適切な勾配(傾き)がないと自然流下できず、詰まりの原因になります。移動先の位置が既存の配管ルートと大きく変わる場合は、配管の全体を再設計しなければならないこともあります。

現地調査の段階で、専門業者が枡の移動が技術的に可能かどうかを判断します。「動かしたいが可能かどうか分からない」という段階でもご相談いただくことで、方針を早めに決められます。

2. 図面の作成・届出

指定工事店が変更後の排水設備図面を作成し、行政(東京都や各区)へ届出します。

届出には変更前後の配管図面が必要です。図面作成・届出の手続きは指定工事店が代行するのが一般的で、施主の手続き負担はほとんどありません。

届出から着工許可が下りるまで数日から数週間かかる場合があります。リフォームや外構工事のスケジュールに合わせて早めに手続きを進めることが重要です。

3. 既存枡の撤去・新設

現在の枡を撤去し、新しい位置に枡と配管を新設します。

既存の枡がコンクリート製の場合は、撤去に手間がかかることがあります。また、配管の接続部分も慎重に処理する必要があり、施工精度が求められます。

新しい枡は現在主流の塩ビ製が多く使われています。軽量で扱いやすく、施工しやすい素材です。配管との接続も確実に行い、漏水がないかを確認したうえで次の工程に進みます。

4. 埋め戻し・仕上げ

掘削した部分を埋め戻し、地面を整えて完了です。

埋め戻し後の地盤沈下を防ぐため、適切な材料で十分に締め固めながら埋め戻しを行います。仕上げの舗装は、周囲の地面の状況に合わせて行います。

駐車場の土間コンクリートや外構タイルの復旧が必要な場合は、別途費用が発生することがあります。見積もりの段階で確認しておきましょう。

5. 完了検査

行政の完了検査を受けて正式に完了となります。

完了検査では、工事が届出内容通りに施工されているかどうかが確認されます。検査に合格することで、排水設備の変更が正式に認められます。

検査当日は指定工事店の担当者が立ち会います。施主が立ち会えない場合は事前に業者に伝えておくとスムーズです。

費用の目安

移動規模別の費用相場

汚水枡の移動費用は、移動距離・配管の変更量・既存枡の素材・掘削の深さなどによって大きく異なります。

・小規模な移動(1から2m程度):5万円から15万円前後
・配管ルートの大幅変更が伴う場合:15万円から30万円以上になることも
・コンクリート製の古い枡の撤去が必要な場合:撤去費が別途発生


費用を左右する主な要因は、移動距離・既存配管の素材・掘削深度・仕上げ材の復旧などです。

費用を抑えるためのポイント

汚水枡の移動費用を抑えるには、外構リフォームや駐車場工事と同時に施工することが効果的です。掘削・埋め戻しの費用を他の工事と共有できるため、個別に依頼するよりもコストを抑えられることがあります。

また、移動距離が短いほど費用は低くなります。移動先の位置を決める際に、最小限の移動で目的を達成できるかどうかを業者と相談してみましょう。

複数の業者から見積もりを取って比較することも有効ですが、金額だけでなく内訳の明確さや施工実績も考慮して判断しましょう。

移動できない・難しいケースもある

技術的に移動が困難なケース

勾配が確保できない場合、公共汚水桝に近すぎる場合、既存配管が深い場合は、移動が難しかったり大がかりな工事になったりすることがあります。

排水管は一定の勾配がないと排水が流れません。移動先が現状より高い位置にある場合や、配管の全体的な再設計が必要な場合は、工事の規模が大きくなります。

現地を見ずに「動かせる・動かせない」の判断はできないため、まずは専門業者への相談が第一歩です。移動が難しいと判断された場合でも、別の解決策を提案してもらえることがあります。

代替策の検討

汚水枡の移動が技術的に難しい場合や費用が大幅に増える場合は、別の方法で問題を解決できることがあります。

例えば、枡の位置はそのままにして、駐車場や外構のレイアウトを調整する方法があります。また、枡のフタを周囲のデザインに合わせたものに変更することで、見た目の問題を解消できることもあります。

専門業者に相談することで、移動以外の選択肢を含めてベストな解決策を提案してもらえます。「動かしたい」という要望を正直に伝えて、まずは可能性を確認してみましょう。

ヒトナスへのご相談について

汚水設備の変更工事もお任せください

株式会社ヒトナスでは、下水道承認工事・汚水設備の変更工事・各種届出申請まで一貫して対応しています。「枡を動かしたいが可能かどうか分からない」という段階でも、現地を確認してご提案します。

汚水枡の移動だけでなく、外構リフォームに伴う給排水設備全体の見直しにも対応しています。まとめてご相談いただくことで、工事全体の費用を抑えられる場合があります。

無料でご相談・お見積もりを承っています。

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