株式会社ヒトナス

2026/10/07 お役立ち

江東区で下水道承認工事をするには?申請の流れと費用相場・埋立地の注意点

江東区と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、豊洲や有明のタワーマンション群かもしれません。でも少し内陸に入れば、深川や砂町のように、運河沿いに古くからの住宅や町工場が並ぶ下町の風景が広がっています。

その江東区で戸建てを建て替えたり、店舗を改装したりするときに必要になるのが、下水道承認工事です。「マンションが多い区だから戸建ての情報が少ない」「埋立地の上に家を建てても排水は大丈夫?」。そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、江東区で下水道承認工事を進めるときの申請の流れと費用相場を整理し、埋立地や運河の多い土地柄ならではの注意点もお伝えします。

江東区はどんな土地?排水の視点で見てみる

江東区の土地は、大きく分けて2つの顔を持っています。ひとつは、江戸時代から少しずつ海を埋め立てて広げてきた内陸部。もうひとつは、戦後から現代にかけて造成された湾岸部です。

内陸部の多くは、昭和の時代に地下水のくみ上げで地盤が大きく沈んだ地域でもあります。今では沈下はほぼ止まっていますが、土地は低く、地盤も軟らかい場所が少なくありません。区内に運河が縦横に走っているのも、水運で栄えた歴史の名残です。

湾岸部は、計画的に開発されたエリアだけに道路や下水道も新しく整っています。その一方で、埋め立てに使われた土の性質によっては、地震のときの液状化が心配される場所もあります。

こうした土地の成り立ちの違いは、排水管の埋め方や材料選びにも関わってきます。

下水道承認工事の基本

どんな工事なのか

下水道承認工事は、建物から出た排水を、敷地内の配管と桝を通して公共下水道へ流すための設備をつくる工事です。建物の中の排水管、外に埋める排水管、点検や合流のための桝、そして道路側の公共桝へのつなぎ込みまでが主な範囲になります。

江東区で多いのは、次のようなケースです。

・下町エリアの古い木造住宅を建て替える
・町工場や倉庫を住宅や店舗に建て替える
・飲食店の出店で厨房の排水設備を新しくする
・古い排水管の詰まりやにおいを機に配管を作り直す

窓口は東京都下水道局

江東区を含む23区の公共下水道は、東京都下水道局が管理しています。排水設備に関する届出や公共桝に関する申請も、東京都下水道局の下水道事務所が窓口です。

そして、23区で排水設備の新設や改造ができるのは、東京都下水道局の指定を受けた「東京都指定排水設備工事事業者」だけです。ヒトナスもこの指定を受けており、東京都指定給水装置工事事業者として水道の工事もあわせて承っています。

埋立地・運河沿いで気をつけたいポイント

液状化と配管のつなぎ目

地震で地盤が液状化すると、地中の排水管が浮き上がったり、つなぎ目が外れたりすることがあります。過去の大きな地震でも、湾岸の埋立地で宅地内の排水設備が被害を受けた例が報告されています。

完全に防ぐことは難しいものの、管の周りの埋め戻しを丁寧に締め固める、建物から出る部分に動きを吸収しやすい継手を使う、点検しやすい位置に桝を設ける、といった工夫で被害を小さくしやすくなります。万が一のときに、どこが壊れたかをすぐ確かめられる配置にしておくことも大切です。

地下水位が高く、掘ると水が出る

運河の近くや埋立地では、地下水位が高いことがよくあります。排水管を埋めるために地面を掘ると、少し掘っただけで水がしみ出してくることも。

こうした現場では、ポンプで水を抜きながら作業したり、掘る範囲を工夫したりする必要があります。作業の手間が増えるため、工期や費用に影響することも覚えておいてください。

低い土地での勾配と逆流

内陸部の低い土地では、建物の奥から公共桝まで配管の勾配を確保するのが難しい場合があります。また、強い雨のときに下水道の水位が上がり、低い位置の排水口に水が戻ってくる心配もあります。

半地下の部屋や、道路より低い位置に排水口がある間取りなら、逆流を防ぐ弁やポンプによるくみ上げも視野に入れて計画しましょう。

合流式か分流式かの確認

23区は区部の面積の約8割が、汚水と雨水を同じ管で流す合流式です。ただし、江東区の湾岸部のように新しく開発された地区では、汚水と雨水を分ける分流式が採られている場所もあります。

分流式の地区で雨水を汚水管につないだり、その逆をしたりすると、検査で直しを求められます。自分の敷地がどちらにあたるのか、計画の前に必ず確認しておきましょう。

エリアごとに異なる現場の傾向

同じ江東区でも、場所によって現場の様子はずいぶん違います。あくまで一般的な傾向ですが、計画を立てるときの参考にしてください。

深川・門前仲町・清澄白河周辺

古くからの住宅や長屋が残るエリアで、間口の狭い敷地や、隣家と壁が接するような建物も見られます。重機が入りにくく、掘削を手作業で進めることも少なくありません。古い排水管が隣地の下を通っているケースもあるため、既存の配管ルートを正確に調べることが第一歩です。

亀戸・大島・砂町周辺

住宅と町工場が入り混じるエリアです。工場や倉庫の跡地に住宅を建てる計画では、以前の用途で使っていた配管や桝が地中に残っていることがあります。思わぬ埋設物が出てくると工期が延びるため、解体の段階から排水の業者が関わっておくと安心です。

豊洲・東雲・有明などの湾岸部

道路や下水道が新しく整えられており、公共桝の位置も把握しやすいエリアです。一方で、埋立地のため地下水位が高い場所もあります。戸建ては多くありませんが、店舗や事業所の内装工事にともなう排水設備のご相談をいただくことがあります。

飲食店や事業所の排水で注意したいこと

江東区では、住宅だけでなく、飲食店や事業所の排水設備のご相談も多くいただきます。

飲食店の厨房からは、油分を多く含んだ排水が出ます。そのまま流すと下水道管の中で油が固まり、詰まりの原因になるため、グリース阻集器(グリストラップ)を設けるのが一般的です。また、作業所や工場では、業種によって下水道へ流す水の水質に決まりがあり、届出が必要になることもあります。

建物の用途によって必要な設備や手続きが変わるため、住宅とは別の視点で計画を組み立てる必要があります。

ご相談の前に用意しておくと話が早いもの

初めて下水道の工事を依頼するときは、何を準備すればいいのか迷うものです。次のような資料があると、現地調査や見積もりがスムーズに進みます。

・土地の住所と、敷地の形が分かる図面(測量図や配置図)
・新しい建物の間取り図(水回りの位置が分かるもの)
・既存の建物の図面や、過去の排水工事の記録
・工事の予定時期(建物の着工や完成の予定)


既存の排水設備の記録が手元にない場合でも心配はいりません。道路側の下水道管や公共桝の位置は東京都下水道局の下水道台帳で確かめられますし、宅地内の配管は現地での調査で把握できます。分かる範囲の情報で、まずはご相談ください。

申請から完了までの流れ

江東区での一般的な流れは、次のとおりです。

・現地調査(既存の配管、桝、公共桝の位置と深さ、地下水の状況)
・排水設備の計画と図面の作成
・工事着手の7日前までに、東京都下水道局へ計画を届け出る
・公共桝の新設や移動が必要なら、下水道事務所へ申請
・道路を掘る場合は、道路管理者へ許可を申請
・排水管と桝の施工
・完了の届出と、屋外部分の検査


戸建て住宅であれば、現地調査から届出までに2週間から1ヶ月程度、工事は数日から1週間程度が目安です。地下水が多い現場や道路の掘削を伴う工事では、もう少し余裕を見ておくと安心です。

費用相場の目安

戸建て住宅の新築・建て替えで、40万円から135万円程度がひとつの目安です。配管の一部交換や桝の入れ替えだけなら、10万円から45万円程度で済むこともあります。

※道路状況、上下水道本管の状況、お住まいのエリアの役所の方針、その他の理由により相場は変わる可能性があります。

江東区で費用が上がりやすいのは、次のような場合です。

・地下水が多く、水を抜きながら掘る必要がある
・地盤が軟らかく、管の下の基礎をしっかりつくる
・公共桝の新設や移動が必要
・飲食店などで、グリース阻集器などの設備を加える


見積もりを比べるときは、図面作成や申請の代行費用が含まれているか、舗装の復旧がどこまで入っているかを確認しましょう。なお、ここでの金額は一般的な目安です。実際の費用は、現地調査を経た見積もりで確かめてください。

よくある質問

Q. 町工場の跡地に家を建てるとき、古い排水設備はどうする?

工場時代の配管や桝が残っていることがあります。住宅の間取りに合わないことがほとんどなので、使わない配管は撤去するか、適切にふさいだうえで新しい排水設備をつくるのが一般的です。

Q. 液状化対策の配管は特別な材料が必要?

一般的な住宅では、特別な管を使うよりも、継手の選び方や埋め戻しの方法で対応することが多いです。土地の状況によって適した方法が変わるので、現地を見たうえでご提案します。

Q. 住宅が密集していて、近所への影響が心配

下町エリアでは隣家との距離が近く、掘削の音や車両の出入りが気になるところです。工事の前にご近所へのあいさつを行い、作業時間や車両の置き場所にも配慮して進めます。道路を使う作業がある場合は、通行への影響が小さくなるよう段取りを組みます。気になることがあれば、遠慮なく事前にお伝えください。

まとめ

江東区での下水道承認工事は、東京都下水道局への届出と、東京都指定排水設備工事事業者による施工が基本です。そのうえで、埋立地や運河沿いという土地柄から、液状化への備え、地下水への対応、合流式か分流式かの確認がポイントになります。

マンションのイメージが強い江東区ですが、戸建てや店舗の排水にも、この土地ならではの事情があります。計画の早い段階でご相談いただければ、土地に合った形をご提案できます。

ヒトナスへのご相談について

株式会社ヒトナスでは、給排水衛生設備の設計から給水管取出工事・下水道承認工事・屋内配管工事・各種届出申請まで、ワンストップで対応しております。葛飾区亀有を拠点に、東京23区内の工事を幅広く承っています。

「どこに頼めばいいか分からない」「申請が複雑で不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。無料でご相談・お見積もりを承っています。

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