株式会社ヒトナス

2026/11/07 お役立ち

荒川区で下水道承認工事をするには?申請の流れと費用相場・狭小地の注意点

「間口が3mちょっとの土地に、3階建てを建てる予定です。排水の工事はどうなりますか?」荒川区のお客様からは、こんなご相談をよくいただきます。狭い土地に家がぎっしり並ぶ荒川区では、排水の工事も一筋縄ではいかないことがあるのです。

実は荒川区は、下水道とゆかりの深い土地でもあります。区内の三河島水再生センターの前身は、大正11年に運用を始めた日本で最初の近代的な下水処理施設。当時のポンプ場の建物は、国の重要文化財として今も残っています。それだけ早くから下水道が整えられてきた街だということですね。

ただ、歴史が古いということは、宅地の中の排水管も古いということ。この記事では、荒川区で下水道承認工事を行うときの手続きの流れと費用の目安を、狭小地や路地の多い荒川区ならではの事情とあわせてまとめました。

そもそも下水道承認工事とは

家の中で使った水は、敷地の中の排水管と桝を通って、道路との境目あたりにある公共桝へ流れ、そこから道路の下の下水道本管へ入っていきます。このうち、敷地の中の排水管と桝をつくったり作り替えたりする工事が、一般に下水道承認工事と呼ばれているものです。

正式には「排水設備の新設等の工事」といい、工事の前に計画を届け出て、基準に合っているかの確認を受けてから進めます。届出から完了検査まで、決まった手順を踏む必要があるのがポイント。勝手に配管をつないでよいわけではないのです。

荒川区でよくある3つのケース

荒川区で下水道承認工事が必要になるのは、たとえば次のような場面です。

・狭い敷地での建て替え(2階建てを3階建てにするなど)
・1つの土地を2つに分けて、2棟を建てる
・木造住宅から、燃えにくい建物への建て替え


荒川区には、古い木造住宅が密集した地域が広く残っています。火事や地震に強い街にするため、燃えにくい建物への建て替えが進められてきました。その建て替えのたびに、排水設備も新しく作り直すことになります。

手続きの窓口は東京都下水道局

意外に思われるかもしれませんが、荒川区の公共下水道を管理しているのは区ではなく東京都下水道局です。23区はどこも同じで、排水設備の計画は東京都下水道局に届け出ます。

施工できる業者も決まっています。23区内で排水設備の工事ができるのは、東京都下水道局の指定を受けた「東京都指定排水設備工事事業者」だけ。指定を受けるには、排水設備工事責任技術者という資格者を置く必要があります。ヒトナスも東京都指定排水設備工事事業者として、荒川区を含む城北・城東エリアの工事を担当しています。

なお、道路を掘る工事をともなう場合は、区道なら区、都道なら都というように、道路の管理者への手続きも別に必要になります。

荒川区で気をつけたい現場の事情

間口が狭い敷地は配管ルートが限られる

荒川区で多いのが、間口が狭く奥に長い、いわゆるうなぎの寝床のような敷地です。こうした土地では、建物の横に配管を通す余裕がほとんどありません。

隣の家との間が狭いと、桝を置くスペースが取れなかったり、掘削の幅が足りなかったりします。そのため、排水管を建物の下に通す計画にしたり、桝の大きさや位置を工夫したりと、設計の段階での調整が欠かせません。建物の基礎工事が始まってから「配管を通す場所がない」と気づいても、もう手遅れということもあります。

3階建てでは排水を集める位置に注意

狭小地では3階建ての住宅も多く建てられます。上の階から下りてくる排水管は、どこかで1本にまとめて外へ出すことになりますが、その出口の位置で配管の長さや深さが変わってきます。

公共桝が敷地の端にある場合、建物の反対側に排水管が下りてくると、そこから公共桝までの距離が長くなり、勾配をつけるうちに管が深くなっていきます。荒川区の大部分は平らな低地なので、深さに余裕がないことも少なくありません。間取りの打ち合わせで、水回りの位置をなるべく道路側に寄せるだけでも、排水の計画はぐっと楽になります。

路地と私道の共用管

町屋や尾久のあたりには、車が入れない細い路地に面した家も多くあります。こうした場所では重機が使えず、手作業での掘削が中心になります。資材の運搬にも人手がかかるため、同じ長さの工事でも広い敷地よりは手間が増えてしまいます。

また、私道の下に複数の家の排水をまとめた共用管が通っているケースもあります。この管に新しくつなぐときや作り替えるときは、私道の所有者や同じ管を使っているお隣の同意が必要になることがあるので、早めに確認しておきましょう。

敷地を分けるときは公共桝の数に注目

1つの土地を2つに分けて2棟を建てる場合、それぞれの敷地に排水の出口が必要になります。もともと公共桝が1つしかない土地なら、もう1つ設ける必要が出てくるかもしれません。

公共桝の新設や位置の変更は、排水設備の届出とは別に東京都下水道局への申込みが必要で、時間もかかります。土地を分けると決めた時点で、排水の出口をどうするかも一緒に考えておくのが安心です。

古い家の解体後に見つかりやすいもの

荒川区の古い住宅を解体すると、図面にない排水管や桝が地中から出てくることがあります。昔の井戸の跡や、使われなくなった古い桝、汲み取り式だったころのトイレの名残などです。

こうしたものは、新しい排水設備の邪魔になる位置にあれば撤去や埋め戻しが必要になります。解体業者と排水の業者の間で、どこまでをどちらが受け持つのかを決めておかないと、思わぬ追加費用になりがち。解体前の打ち合わせで一度話題に出しておくと安心です。

低地での大雨と逆流への備え

荒川区は隅田川沿いの低地が多く、大雨のときに下水道の水位が上がりやすい地域もあります。道路より低い位置に排水口がある場合は、逆流を防ぐ弁を付けたり、ポンプでくみ上げたりする対策も視野に入れておきたいところです。区部の多くは汚水と雨水を一緒に流す合流式ですが、場所によっては扱いが異なるため、雨水の流し先も事前に確認が必要です。

申請から完了までの流れ

工事は、大まかに次の順番で進みます。

・現地調査(既存の排水管や公共桝の位置と深さ、私道の状況などを確認)
・排水設備の計画と図面の作成
・東京都下水道局への計画の届出(工事を始める7日前まで)
・道路を掘る場合は道路管理者への申請
・排水管と桝の施工
・工事完了の届出と完了検査


計画の届出は、工事を始める7日前までに出すことが決められています。完了検査で指摘されやすいポイントについては、排水設備の完了検査で確認される内容の記事でも整理しています。

工期の目安

戸建て住宅の場合、現地調査から届出までが2週間から1ヶ月ほど、施工は2日から1週間ほどが一般的です。荒川区の狭小地では、手掘りや小運搬の分だけ施工日数が延びることもあります。建物の工事とのタイミングも大事なので、工務店と業者で早めに予定を合わせておきましょう。

費用相場の目安

荒川区での下水道承認工事の費用は、戸建て住宅の新築でおおむね40万円から135万円程度が目安です。既存の排水管を部分的に作り替える工事なら、10万円から45万円程度に収まることもあります。

※道路状況、上下水道本管の状況、お住まいのエリアの役所の方針、その他の理由により相場は変わる可能性があります。

費用を左右する主な要素は次のとおりです。

・建物から公共桝までの距離と、掘る深さ
・桝の数と種類
・重機が使えるか、手掘りになるか
・舗装やコンクリートの撤去と復旧の範囲
・公共桝の新設や位置変更の有無


荒川区の狭小地や路地の現場では、作業スペースの制約から手間が増え、目安の上限に近づくこともあります。見積もりを比べるときは、図面作成や届出の代行費用が含まれているかも確認しておきましょう。

もうひとつ見落としやすいのが、古い排水管や桝の撤去費用です。新しい配管を入れるだけの見積もりと、古いものの撤去や埋め戻しまで含んだ見積もりでは、金額が違って見えて当然。総額だけで比べず、どこまでの作業が含まれているのかを一つずつ確かめるのが、後悔しない業者選びのコツです。

よくある質問

Q. 水道の引き込みと一緒に頼めますか?

給水と排水の両方の指定を受けた業者なら、まとめて依頼できます。現地調査を一度で済ませられるので、段取りもスムーズです。水道側の手続きは荒川区で水道引き込み工事をするには?で紹介しています。

Q. 古い排水管を使い続けることはできますか?

管の状態や水回りの位置によっては使えることもあります。ただ、築年数の長い住宅では陶器の管やコンクリートの管が割れていることも多く、建て替えを機に作り直すほうが安心な場合がほとんどです。

Q. 届出の書類は自分で用意する必要がありますか?

いいえ、計画の届出や図面の作成は、施工を担当する指定事業者が行うのが一般的です。施主の方にお願いするのは、委任状への署名や、敷地・建物の図面のご提供くらいです。

まとめ

荒川区で下水道承認工事を行うときは、窓口が東京都下水道局であること、施工は東京都指定排水設備工事事業者に限られること、工事の7日前までに計画の届出が必要なことを押さえておきましょう。

狭小地や路地、私道の共用管、土地を分けるときの公共桝。荒川区では、こうした事情が工事の進め方や費用に直結します。間取りを決める段階で排水の出口と配管のルートを相談しておくことが、結果的にいちばんの近道です。

ヒトナスへのご相談について

株式会社ヒトナスでは、給排水衛生設備の設計から給水管取出工事・下水道承認工事・屋内配管工事・各種届出申請まで、ワンストップで対応しております。葛飾区亀有を拠点に、東京23区内の工事を幅広く承っています。

「どこに頼めばいいか分からない」「申請が複雑で不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。無料でご相談・お見積もりを承っています。

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